ボトルの向こうに見えるもの
シエラ・チキータ。地域固有アガベが生む秘蔵のメスカル。
Episode 5
メスカル Sierra Chiquita - タマウリパス秘蔵のメスカル。
タマウリパスが生む秘蔵の正統派メスカル。
これまで輸出されてこなかったタマウリパス州秘蔵のメスカル、シエラ・チキータのご紹介。
<ブランコ・ホーベン>
樽熟成前にボトリングするブランコ・ホーベン。ベジタブルな青果の香りが立ち上ります。テキーラとの決定的違いであるメスカルのスモーキーさはしっかり主張しつつ、フレッシュなベジタブルの香りが融合し不思議な香りです。さらに地元固有種アガベたちがもたらす高糖度により、蜂蜜のような淡い甘さが絶妙に加わったテイスト。
<レポサド>
6か月樽熟成させたレポサド。フレンチ・オークのバニリン香と熟成した甘さが出て、ベジタブルフレッシュ感のブランコとは全然違う、やさしくコクのある甘さ。地域特有の天然アガベが持つ豊富な天然フェノール分により、喉越した後でもフレーバーと香りの余韻が長続きします。より落ち着いたフレーバーをじっくり楽しみたいときに。
<アネホ・クラード>
アネホ相当するクラードは樽熟成時に浸け込んだ西洋桜の木皮から出る色素により華やかで淡い赤色に変身。桜の木香が生む、やさしいフローラルな花香気と樽熟成で加わるアーモンドのような甘さがアフターフレーバーとして喉奥から吹き帰してくるのを楽しめます。ドライな味わいが多いメスカルの中では非常に珍しい、フローラルな香りを楽しめる特徴的な一品。オンリーワン・クラフト・メスカルの仕上がりです。
★ノスタルジックな装いに一新★
ボトルを彩る毛織物サラペをドレスとして纏い、有名なメスキートウッドのリングをベルトにした、メキシコの伝統を伝えるノスタルジックな装いでお届けします。
やすらぎの味わいは地域限定アガベのおかげ。
メスカル・シエラ・チキータの飲み口は、柔らかで淡いフルーティな甘さを表現する味わい。メスカルとしては珍しいタイプです。アルコールの辛さや、メスカル特有のスモーキーさを味わったあとでも消えずほのかにたちのぼる優しい香りに満ちた味作り。
そうしたやすらぎのある味わいを生み出すのは、タマウリパス州サン・カルロスでしか植生が確認されていない固有種のアガベ・モンティウム(Montium-Sancticaroli種)と、他2つのタマウリパス州近隣に古くから自生するアガベたち。
大量生産には不向きな小型種ながらも、糖度と天然フェノールが充実したアガベは、上質なフレーバーとそれを引き出す技術を追求しようとするクラフトメスカルのスタイルに心地よく調和する大地の恵みです。
アガベ・モンティウム
Avage Monium-Sancticaroli
タマウリパス州サン・カルロスに生息する固有種です。2007年にGBIFの固有種登録の新種。ブルーアガベと似た形状サイズ感です。
アガベ・ファンキアーナ
Avage Funkiana
28-35度の高糖度で甘みある優しい風味を演出するアガベ。細剣先の様な葉形が特徴。20kg程度と非常に小型で甘みを引き出す加工に技術が必要とされる。
アガベ・プロトアメリカーナ
Avage Protamericana
ゆくよかで優雅な葉形と縫い目の様な斑紋が特徴。糖度が高め且つ芳香源となる天然フェノールを太い枝葉に多く含み、持続力あるフレーバーを支える。
1880年以来続くMorales家秘伝の味わい。
モラレス家は1880年に蒸留所操業を開始。近隣で収穫した地域のアガベを使い天然酵母で発酵させて独自の風味を生む製法を確立しました。その後1903年にサン・カルロス蒸留所として開業して今に至るまで、その伝統製法を守り続けています。
近隣の共同村落で収穫されるアガベによる農村への追加収入を生み出す社会的責任を担いつつ、市場へ上質のメスカルを提供し人々の生活にうるおいを届け、地域の伝統文化・アイデンティティを支える存在であり続け、タマウリパス州及びヌエボ・レオン州を中心として、地域の秘蔵酒として愛されてきました。
120年の時を経て、モラレス家の秘伝の味として受け継がれてきた地域の美酒は、日本を初めてのデビューの場と見定め、当社とともに直接輸出で大きく羽ばたこうとしています。
女性的美しさ。シエラ・チキータ山がモチーフ。
サン・カルロスの傍にたたずむシエラ・チキータ山(標高1,720m)は、母なるシエラ・マードレ・オリエンタル山脈の東側のすそ野にそびえ立ち、東側から見ると平原に屹立する様な容姿をみせる気高さを感じさせる山です。
南から行くにせよ北から行くにせよ、シエラ・チキータ山の麓を半周し、裏側に行かねば、サン・カルロスにはたどり着けません。 頂上付近は、ダークグレーの岩壁が露出し、稜線の緑と白い雲・青い空によく映える、さわやかな美しさです。
メスカル・シエラ・チキータのロゴモチーフになってるこの山は、深い緑とダークグレーの色合いがクール・ビューティを感じさせる気品に満ちた姿です。
- 2022.03.08
- 13:06
- コメント (2)
一滴を作るプロセスの83%はアガベ育成。
Episode 4
一滴を作るプロセスの83%はアガベ育成。
Chinacoが使うのは、一般より成熟した10~12歳のブルーアガベ。
プレミアム・テキーラ Chinacoが使うブルーアガベは10歳~12歳と一般的な水準より長く育成したもの。加えて、樽熟成期間はアネホの場合2.5年。
だから、全工程で合計14.5年の時間が必要となります。その中でもアガベ栽培に向き合う時間は12年ですから、全体の83%に及びます。
メスカル Sierra Chiquitaの場合、天然アガベを数種類使います。こちらの収穫年齢は6歳。Chinacoのブルー・アガベと比べて短めです。メスカル特有のスモーキーさとフレッシュな爽やかさをバランスさせたいので、糖度を蓄え過ぎてリッチな味になり過ぎない様にします。メスカルの樽熟成は長くて1年ほどですので、やはりアガベ育成に全霊を注ぐ期間は全工程の80%以上になります。
樽熟成に軸足を置くウイスキーなど他蒸留酒とは大きく異なる点です。育成過程での大地からの養分吸収と生物学的化学変化により醸成される、甘みや芳香成分がポイント。
テキーラ各社自慢の味は、発酵や蒸留の製造プロセスで決まると言われることも多いですが、Chinacoのスタイルは、長い年月にわたるアガベ栽培=熟成にこそ最大の秘訣があるのです。
タマウリパス州では、農薬や肥料を極力使わずアガベが本来持つ伸張性・病害虫耐性を活かす、オーガニック農法が多いと言われています。ハリスコのアガベより小粒だし、糖度は低いと言われます。が、一方でタマウリパス地域の独特な土壌が生む天然フェノール成分が、タマウリパスのテキーラ・メスカルに豊かな味わいや芳香をもたらしてくれているのです。
作付面積は今年に収穫する分だけじゃない。
毎年継続的に収穫するから、収穫に満たない1~11歳の予備軍を常時育てる必要があります。基本的な作付の循環パターンです。
学校の校長先生が全学年の生徒を気にかけつつ、毎年卒業生を送り出すのと同じです。さらに休耕地を取って地力回復が必要だから、実際には今年収穫する量の12倍以上の面積にそれぞれの年齢に応じたケアを行うことになります。
育成は子株アガベを生み出すところから始まります。
植物栽培ではイメージしやすい種まき栽培に加え、株分けという技術も使われます。株分けは子株を分離して植えつける、広義のクローン栽培。二つの手法をどう使いこなすか。農家はいきなり大きな戦略選択をするところから始まるのです。
◇|株分け|クローン技術の一種。短期間かつ安定的に優等生に特化した集団ができる。
収率、成長速度、耐病害虫、糖度、芳香、の中で欲しい得意技に応じて、優秀株から、子株たちを株分けする。同じ株のクローンだから同じ強みを持った優等生集団ができる。リスクは、病害が発生すると集団全体が病気にかかり、みんな被害に遭う。全滅の恐れがあること。
◇|種子栽培|いわゆる種まき。プランテーション全体に多様性をもたらす。
収率、耐病害虫、糖度、芳香などの個体差を活かし、多様性ある集団を作る。甘さや香りに計算を越えた多様性の妙が出る。病気発生の時は、耐性がある個体が平気だから一定の生産は確保される。さらに掛け合わせの結果これまでにない優秀な株を生み出す可能がある。明日のヒーロー出現を夢見ることができる。 一方、パフォーマンスのバラツキが大きく、イマイチな出来の株も惜しみなく育成する必要がある。
オーガニック農法(有機農法)という戦術選択。
化成肥料や農薬の使用を極限まで抑えた農法を有機農法と呼びます。各国で決められた有機農法の定義に応じて、化成肥料や農薬を極力使わないようにする手法。
実際に多くの場合は、短期&長期の経済性を考えてなんらかの割合で有機と肥料・農薬使用を使い分けるスタイルがまだ主流です。特にテキーラの場合ブルーアガベ51%以上使用のきまりがあるので、単一種の適正な育成管理・収穫量確保の観点で、何らかの化成肥料・農薬を使用するのは現実的な選択と言えます。
それぞれ長所短所があり、農家は頭を悩ませる。欲しい風味を支えるアガベを効率よく、安定して継続的に生産するにはどの方法がよいか、唯一無二の絶対的な正解はありません。
- 単一優秀クローンを選抜&農薬ガードで病虫害を防ぎ、一刻も早い投資回収を目指すか。
- 種子栽培&有機農法でリスクヘッジし、コスト増でも長期的な安全プランか。
- <単一クローン=優等生>と<種子栽培=多様性>を世代ごとに変える中庸策か。
将来のリスク・チャンスも考えながら、経過観察と分析、アガベへのフィードバックをサボることなく辛抱強く繰り返し行うことが必要なのです。
ブランド紹介
- 2022.03.08
- 13:01
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悠久のアンバーライトこそがプレミアム。
Episode 3
悠久のアンバーライトこそがプレミアム。
Chinacoがある仲間たちとの集い
久々の悪友の集い。遅れて最後に来た友人は「みんな、待ってたでしょ。」と得意げに笑った。
Chinaco Anejoのボトルを半分だけ取り出しチラッと見せながら、奥にいる先着組に向かって飾らない挨拶の輪を広げていく。普段はそれぞれのビジネスシーンを切り盛りする女傑たちが勢ぞろいし、昔と変わらない遠慮ないおしゃべりが始まっていた。
そんなときふと目がとまった。ボトルから降り注ぐ琥珀色の光がテーブルに神秘的な小空間を創り出している。心が落ち着く、やわらかい不思議な光。アンバー(琥珀色)には違いないのだろうけど、それだけじゃない。
ブラウン? ゴールド? オレンジ? イエロー? レッド?
引き込まれる不思議な輝き
光の中心は何色とも言えない幻想的な輝きを放っている。不思議な浮力を感じる。琥珀色って黄昏のイメージだけど、この光は何か違う。
郷愁とか哀愁より、もっと前向きな感じ。やわらかい癒しを感じるけれど、それよりも沸き上がるエネルギーを強く感じる。
まわりは優しく、真ん中はまぶしい。太陽の光みたい。
「一人で何を見てるの?」頬杖ついてウトウトしていた私を、数人が覗き込む。琥珀色の輝きの不思議について話が向く。色んな意見が出るが、お互い否定はしない。この光はなんの結晶なのか。
輝きを放つこの一滴一滴が今ここにある奇跡。それがどれほど多くの要素の共同の集合として成り立っているのか。最後には、「洗練された大人としてレベルアップしたんだね」、なんて自分達を賛美してみる。
お酒の輝きに魅かれるなんておかしいですか?
Chinaco Anejoの芳醇な味わいと光の相乗効果について、単なるお酒っていうこと以上の話が飛び交う。私たち以外の人々も同じ様にChinaco Anejoのまばゆい光の色に何か特別なものを感じるだろうか。
- 2022.03.08
- 13:02
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Home of Chinaco : 海と山に囲まれた北米への玄関口、タマウリパス。
Episode 2
Home of Chinaco : 海と山に囲まれた北米への玄関口、タマウリパス。
海と山脈が近接した豊な風土
日本と逆側にあり、カリブ海に続くメキシコ湾に面した、米国に隣接する州。東端はウミガメ産卵地である美しい砂浜が米国から続き、南西端にはメキシコの中央を走る山脈シエラ・マードレの美しい麓に至ります。
海岸線から山脈まで約180km。海と山脈が近接した風土。カリブ海を抜けてメキシコ湾から温暖な海風が吹き抜けてくる一方で、冬の到来とともに寒気が米国テキサスから南下してくる。この寒暖の変化に富んだ気候が生む、豊かな自然環境に恵まれた州です。
山脈と砂浜の中間に広がる肥沃な土壌地帯にあるゴンザレスではプレミアム・テキーラのパイオニア < Chinaco >が、母なるシエラ・マードレ山脈の麓サン・カルロスではモラレス家の秘伝製法に守られたメスカル < Sierra Chiquita >が、それぞれの伝統を守りながら人々に愛される一滴を静かに作り続けています。
地域のアガベ・コミュニティとの共生を大切にしながら。。。
山本五十六も視察した石油産業の中心
南にある州の中心タンピコ市はメキシコ石油産業の草創期を支えた重要拠点。かつて多くの油井が近在し、となりのマデーロ市にある国営石油会社ぺメックス社の巨大な製油所は、地域のランドマークです。
石油産業を調査するため、駐米武官時代の山本五十六もこの地を訪れています。
現在では歴史的に通商の要衝だった経緯もあり、商業が盛んです。河口に面したダウンタウン地区のショッピングストリートは週末にはいつも賑わっています。
北隣のアルタミラ市には天然ガス気化プラントと複数の大型発電所が鎮座し、メキシコ東北部の重要なエネルギー供給基地であるとともに、欧米の大手化学メーカーが石油化学プラントを構えている工業地帯となっています。主要港湾に登録されるアルタミラ港は北米、ヨーロッパ、南米などに向けての輸出玄関口となっており、コンテナ船が多く出入りしています。堀込式臨海港湾ですが、エメラルドグリーンの海面を湛える美しい港です。
シーフードがとても美味しい町
タンピコを中心としたこの地域は、海に面しているので新鮮なシーフードが豊富。特にカニ、エビ、貝が多い。魚はタイやスズキなどのやさしい味の白身魚が主役です。赤身魚といえばサーモンくらいで、港の魚市場で小型マグロが丸ごと出回ることもあり富裕層に人気ですが、流通量としてはあまりありません。
この地域には特産の高級魚、ネグリージャという白身の大型魚があります。ガーリックステーキは至高の逸品。
日本でいうスズキの仲間ですが、白身のわりに濃厚な味で、身の弾力が絶妙な食感を生みます。魚にうるさい日本人も好きになる味です。白飯はありませんから、カット・トーストやクラッカーにワカモーレやサルサを載せたフレッシュなものをかじりながら、プレート上のネグリージャ・ステーキをカットしながら頂きます。
このネグリージャ、いつか日本のマーケットにご紹介できる日を実現したいと思っています。
またカニ料理で特徴的な写真の3点をご紹介します。
< カニのカクテル >
むき身を店自慢のカクテルソースで和える、カニのカクテル。クラッカーやパンに乗せて頂きます。新鮮なシーフードとそれを知り尽くした有名店の秘伝と自慢のカクテルソースが引き立てる絶品な味です。
< タワーシザースのディップ >
ボイルしたカニのハサミをタワー状に積み上げる料理。街のあちこちのシーフードレストランで堪能できます。タワーを一個づつ崩ししながらソースにディップして頂きます。ハサミ根元部分(人間で言うと手のひら)の弾力ある部分の食感を楽しめる一品です。
< ガーリックプレート >
カニのハサミのガーリックプレート。ガーリックとカニの香りがプレートから立ち上がり、香ばしいアクセントが食欲を誘うテキーラを傾けながら頂く、楽しい晩餐に欠かせない料理です。
チャンパヤン湖に沈む夕陽
タンピコ市街の西側にはチャンパヤンという大きなラグーンがあります。メインストリートから直線距離で1㎞程度のところに自然のラグーン。市街側の湖岸にゴルフ場や高級住宅地が続いています。湖岸の緑と湖上を吹き抜ける風から爽やかなマイナスイオンを浴びて癒される空間です。
このチャンパヤン湖から西に向かっては湿地帯・平野が続き、夕暮れには地平線に沈む鮮やかな夕陽がとても贅沢な景観を生み出します。
日没というと黄昏や哀愁のイメージが強いですが、タンピコの太陽には、背中を押されるような活力に満ちたエネルギーシャワーの感じを覚えます。
この地平線に沈む夕日を浴びながら、同じ琥珀色のChinaco Anejoをゆっくりころがす。太陽の国メキシコで、まさに太陽の恵みを存分に体感する至福の瞬間です。
ブランド紹介
[Mas Alla de la botellas]~ボトルの向こうに見えるもの~
他のエピソードもどうぞ。テキーラの世界を味わって頂くために、テキーラを取り巻く様々なエピソードをお届けします。
- 2022.03.08
- 13:02
- コメント (0)
創業以来ずっと、100%ブルーアガベのプレミアムテキーラ。
Episode 1
Chinaco 創業以来ずっと、100%ブルーアガベのプレミアムテキーラ。
一貫して100%ブルー・アガベ・テキーラ
創業以来、一貫して100%ブルーアガベのプレミアム・テキーラ。「Chinaco」を作り続けてきたGonazlena蒸留所は、プレミアム・テキーラのパイオニアです。
Chinacoの100%ブルーアガベ・テキーラに注目した米国のプロモーターが、「プレミアム」という冠語をつけ販売したのが始まりでした。以後、厳しい審美眼をもつ欧米の愛飲家たちをうならせてきたのです。
実は作り手であるGonzalena蒸留所としては、1972年蒸留開始時(※1)から、100%ブルーアガベのテキーラを当然のように作り続けています。本来、テキーラはそうであるべきと考えるから。
タマウリパス産ブルーアガベとメキシコ湾岸の風土により醸成された豊かな風味。100%プレミアム・テキーラChinacoです。
※1:NOM1127で認証されChinacoブランドとして創業は1977年ですが製造開始は1972年。
プレミアム・テキーラのパイオニア
1983年に米国人ロバート・デントンとマリリン・スミスが、Chinacoを米国で売り込みます。当時ほとんどなかった、100%ブルーアガベを常時生産していることに感銘を受け、Chinacoに「プレミアム・テキーラ」という名称を付したのが始まりでした。
1993年にプレミアム・テキーラの規則が発効する以前は、トウモロコシ蒸留液などを混ぜたミクストテキーラが主役でした。他蒸留液の混合で‟hangover-inducing”(二日酔いの元凶)とも言われ、あまりポジティブなイメージがなかったテキーラ。
Chinacoは、その深い甘さに加え、二日酔いがない上品なファイン・テキーラとして人気を獲得します。高額ながらも高い評価を受け、プレミアムとして広く愛飲家に支持されます。従来のイメージを一変させ、先駆けてプレミアム市場を確立します。
米国ではプレミアム・テキーラ人気が定着
現在ではプレミアム・テキーラはテキーラを愛する者のステータス・シンボルにもなっており、米国のセレブやハリウッドスター達の間で依然として人気です。中には、ジョージ・クルーニーをはじめ、自分で蒸留所のオーナーとなる人が現れるほど。もはやそこには、飲ませる / 罰ゲームなどの“痛いお酒”のイメージはありません。
主産地ハリスコ州でも多くのプレミア・テキーラが生産・販売され、プレミアム市場もミクストテキーラと肩を並べるほどまでに成長。ミクスト・テキーラ、プレミアム・テキーラ、メスカルの3市場がいい感じで並んできています。 しかし残念なことに、日本のテキーラ市場でプレミアム・テキーラは10%ほどのとても低いシェアにとどまっています。
日本の皆さんにも、世界中の愛飲家が熱いまなざしを向ける,プレミアム・テキーラをぜひとも味わって頂きたいと願っております。
このコラムで紹介した商品はこちら。
[Mas Alla de la botellas]~ボトルの向こうに見えるもの~
他のエピソードもどうぞ。テキーラの世界を味わって頂くために、テキーラを取り巻く様々なエピソードをお届けします。
- 2022.03.08
- 13:04
- コメント (1)